院長コラム

廿日市"子育て応援室"勉強会4 「妊娠中期異常」

2018年04月10日

 妊娠5か月~7か月の異常妊娠について、お話します。
 妊娠中期の異常は、母体・胎盤・胎児が繋がっているので各異常によって発生。

 「胎盤の異常」 付着部位の異常・・前置胎盤・常位胎盤早期剥離
前置胎盤  全分娩の0.3~0.85%  胎盤の一部・大部分が子宮下部付着し内子宮口に分類   
    妊娠中期1.png
診断    超音波検査
症状    妊娠時期における症状:妊娠末期・・  警告出血(子宮口開大による)
                     分娩時   ・・  子宮口の開大によって大量出血
                     分娩後   ・・  弛緩性出血(子宮の戻りが悪いことで)
管理    妊娠中期では経過観察し、以後は入院し付着部位によっては帝王切開

常位胎盤早期剥離 0.49~1.29%  胎児の娩出前に胎盤がはがれる。
原因    妊娠高血圧症候群・絨毛膜羊膜炎・子宮筋腫・喫煙
症状    ショック・子宮底上昇・腹壁板状硬・下腹部激痛・血性羊水・児心音異常
     妊娠中期2.png
診断    超音波検査・胎児心拍モニター
治療    胎児心音異常を伴えば  帝王切開
      胎児心音異常なければ  状態を見て分娩誘発か経過観察

「羊水の異常」 羊水過多症・羊水過少症
   妊娠中期3.jpg  

           羊水過多症                            羊水過少症
原因       尿産生過多・嚥下量低下・胎盤異常    尿産生減少・羊水流出
症状       腹部膨満・呼吸困難・起坐呼吸・頻尿   臍帯圧迫(胎児心音低下)
                                 子宮壁の圧迫(胎児肺低形成)
診断        超音波検査                  超音波検査
治療        破水予防・原因除去(糖尿病など)     人工羊水注入
          子宮収縮抑制・羊水穿刺

「機能異常」
胎児発育不全  均衡型・不均衡型に分類
           均衡型               不均衡型
身体特徴    頭部・躯幹共に発育障害     頭部正常で躯幹の発育障害
頻度(不全児)    20~25%             75~80%
原因      染色体異常           栄養障害(胎盤血流障害)
        胎内感染            妊娠高血圧症候群
        薬物服用・アルコール
出現時期    妊娠20週以前          妊娠28週以降
奇形合併率      33%                3.2%
診断      超音波検査           超音波検査(血流計測)
                        胎児心拍モニター
治療      原因の除去(禁煙・断酒など)、母体合併症治療
        胎盤循環の改善(安静・ヘパリン療法など)栄養補給、
        母体酸素投与、児の対外生活適応能促進(ステロイド投与)
        胎児が元気かどうか診断し分娩にするかどうか判断して管理

                                       院長
        

廿日市"子育て応援室"勉強会3 「妊娠中期」

2018年03月22日

 妊娠5か月~7か月の妊娠についての兆候・注意点を話しました。
 妊娠中期における注意点について、特に早産予防について話しました。
「早産とは」
 妊娠22週0日から妊娠36週6日までの出産をを言います。
 早産になりかかった状態を切迫早産と言います。
「原因」
 ①喫煙 、若年(18歳未満)・高齢(35歳以上)初産・肥満
 ②多胎妊娠・死産、早産の既往、頸管開大(頸管無力症)
 ③糖尿病・心疾患・高血圧、羊水の感染
 ④ストレス・重労働
「症状」
 ① 下腹部の張り・痛み・・子宮のあたりが固くなったのを張りと言い常に注意
 ② 出血・・・茶色はおりものではなく出血と自覚を
 ③ おりものの増加⇒破水・・おりものは感染による可能性あり注意
「検査」
 ① 超音波検査   子宮頸管長にて赤ちゃんが下りかけていないか検査
 ② 早産マーカー  子宮の入り口のおりもの検査で早産を予想
「治療」
 ① 安静  旅行、家事・仕事による下腹部の違和感に注意
 ② 薬剤  抗炎症剤、子宮収縮抑制剤(経口・点滴)
 ③ 手術  頸管縫縮術(子宮頸管を結ぶ手術)
入院で安静・点滴治療することもあり、早産の症状に早期に気づき安静を
「予防」
 ① 禁煙
 ② ストレスを溜めない
 ③ 無理をしない・・お腹の張りに注意し、仕事をしていれば休む勇気を
 ④ 適切な健康管理・・妊娠高血圧・糖尿病に注意
 ⑤ 早産の兆候に気づくとともに、周りの人も気配りを
「早産児の予後」
 ① 全ての臓器が未熟で長時間保育器での管理を要する。
 ② 合併症を起こしやすい・・呼吸器・脳室内出血・感染症
「早産児の将来」
 6歳児の就業時身体発育の遅れで生まれた時からハンディを持つことになる。
 妊娠中の管理が大切です。家族の方も協力して正期産での出産を!
  平成30年3月

廿日市市"子育て応援室"勉強会2「妊娠初期」

2018年02月02日

妊娠の成立
 排卵⇒受精⇒子宮内着床 の過程を図示した。(受精から子宮内着床まで約7日)
超音波による胎児の発育

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      妊娠4週            妊娠6週        妊娠8週(胎児頭臀長1cm)

母体にとってこの時期における問題点
「悪阻」 妊娠4か月半ば(胎盤形成するまで)
  症状:   悪心・嘔吐・唾液量の増加
  対策・治療:好きなものを少量頻回に摂取(空腹を感じる前に)
        水分摂取ができなければ、脱水になるため点滴治療
  考え方  :赤ちゃんが元気に育っているから起こると、思うことが大切。
「流産」妊娠7~8週に多く、全妊娠の10%前後
  症状:出血・下腹部痛
  原因:2/3は赤ちゃんの染色体異常
  分類:切迫流産・進行流産・完全流産・不全流産・稽留流産
     赤ちゃんが元気で(心拍確認)出血するのは、切迫流産
  治療:安静   流産予防、流産時の注意として自宅での安静が第一。
     妊娠時に無駄に動いたり、旅行に行ったりしない事。
「流産と間違えやすい病気」   出血を起こす病気
  子宮外妊娠(異所性妊娠) 子宮以外に妊娠
  胞状奇胎  胎盤が変化して胎児の確認できず、がんになる可能性もある
  絨毛膜下血腫  子宮内膜と卵膜間の出血
この時期の主な検査
  出生前診断  染色体異常の有無に関する検査(NIPT、絨毛検査、羊水検査、
         超音波による胎児NT検査 など)
  感染症検査  風疹、サイトメガロウイルス、梅毒、クラミジア
以上について勉強した。この時期に母子手帳交付されるため、この時期から妊婦に対して、医師・行政・地域のボランティアなどでの手厚い支援が必要。  21

廿日市市役所 "子育て応援室"勉強会

2018年01月12日

あけましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いいたします。
 近年、少子化による人口減少が社会問題になっているにもかかわらず、児童虐待はおさまる様子もなく、この主な原因は、育児不安・親の精神的な貧困によるものと思われます。
現在、日本は核家族化し、育児において安心して相談できる施設が少ないのが現状です。育児支援として“産後ケアセンター”などの設置している自治体も存在しますが、設置費用・人材確保などの問題から日本全土に普及させるには、高いハードルのため、なかなか実現しないのが現状です。
また、広島市に一昨年来助産師会嘱託で誕生した“産後センター”など各病院で産後ケアへの取り組みが行われていますが、廿日市市では実施されていないのが現状です。
本年から、広島県ではフィンランドのネウボラを元にした、妊娠中から就業までの
ケアを将来的に全県下で設置する予定とのことです。
 昨年、廿日市市は子育て応援室を「ネウボラはつかいち」と命名して今後産後ケアへ取り組みを行われる部署に変貌される様子です。
 廿日市市は、以前より各地区に“ママフレンド”という地域のボランティアの方々がおられ、市役所と地域への連携を計っているのが現状です。
 そこで、昨年、子育て応援室・障害福祉課・健康推進課のスタッフの知識向上を目的として、3月から12月まで毎月1回市内の“アイプラザ”において産科の勉強会を行ったので、その内容について要旨を次回から報告したいと思います。
 第1回 3月7日   「妊娠初期」
 第2回 4月11日   「妊娠中期」
 第3回 5月9日   「妊娠合併症(感染症)」
 第4回 6月13日   「妊娠時不定愁訴解決法」
 第5回 7月11日  「早産」
  第6回 9月12日  「合併症妊娠」
 第7回 10月10日 「妊娠後期」
 第8回 11月6日  「分娩」
 第9回 12月12日 「産褥・新生児」
以上、9回の勉強会を行いました。
産後ケアセンターが無くても、妊婦さんに接するスタッフの方々が正しい知識の元に
妊婦さんと接して、何時でも相談のできる状態が妊婦さんに安心感を与えられることと
思っています。
 
                          2018.1

妊娠時の栄養

2017年10月27日


先日、バイエル製薬にて“妊娠と栄養(特に葉酸について)”の講演を行ったので、
詳細について説明します。
 妊娠各時期において、必要な栄養が関係する病気・対策について
妊娠初期(妊娠234か月):悪阻が主に関係
  悪阻への対応・・ビタミンB6 摂取
①  食べたくなる前に頻回に食事
②  食べたいものを摂取
③  少量を頻回に摂取
  妊娠56週で胎児の神経管閉鎖障害(無脳児・二分脊椎)予防・・葉酸摂取
       本来なら妊娠の1か月前よりの摂取が有効。1480㎍摂取。
       葉酸は、食事摂取では難しいので、サプリメントで摂取。
  良質のたんぱく質(肉・魚・卵・牛乳)
ビタミンE(レバー・サバ・イワシ)・・流産予防すると言われている
食物繊維(緑黄野菜・根菜・豆類・海草)・・便秘の予防
【過剰摂取注意食品】ビタミンA(レバー・うなぎ)
          水銀(マグロ・イワシ・サケなど遠洋魚類)週1回程度に
      ・・ビタミンA・水銀共に胎児奇形ができる可能性がある。
妊娠中期(妊娠567か月) つわりが治まり食べ過ぎに注意しましょう。
  骨形成・・カルシウム(牛乳・ヨーグルト・木綿豆腐)
  貧血予防・・鉄分(レバー・豆腐・ひじき・納豆・ブロッコリー)
        ビタミンB12(あさり・かき・さんま・牛ひれ) 葉酸吸収
        ビタミンC(レモン・キウイ・ピーマン・モロヘイヤ) 鉄分吸収↑
妊娠後期(妊娠8910か月) 妊娠高血圧症候群・・体重増加に注意
                分娩時・・微弱陣痛・分娩時大出血 予防
  葉酸・鉄分摂取・・貧血により出血が多くなる可能性がある。
ビタミンK(カイワレ大根・モロヘイヤ・大根の葉)・・出血を抑える。
・妊娠中全期を通じて、鉄分・葉酸の摂取は赤ちゃんの成長に影響します。
葉酸は食事摂取は難しいので、サプリメントによる摂取をしましょう
・体重増加は、妊娠高血圧症候群などを合併します。妊娠中期以後は500g/週以下の
増加に注意しましょう。
 但し、ダイエットすることは避けましょう。ダイエットで低体重児が出生すると、中学・高校時に思春期生活習慣病が発症と言われています。(Barker説)
・酒・たばこは絶対禁忌です。
               体重増加基準は、BMI(体重/身長二乗)で算出された体格により
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                                       平成29年10月26日

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