院長コラム

廿日市市役所 "子育て応援室"勉強会 10

2019年03月20日

産褥とは、出産後6~8週間を言います。
【正常産褥】妊娠によって変化した母体が非妊娠時の状態に戻る。
   子宮         大きさ 分娩後、臍の高さにあった子宮が10日位で腹壁から蝕知
                        できなくなる。
              復古   子宮の大きさが産後6週間かけて元に戻る。
                    子宮が戻る過程で子宮内から“悪露”という分泌物排出。
                  「悪露の変化」産後2~3日 赤色       組成 血液
                          1週     褐色    ヘモグロビン
                          2~3週  淡黄色    白血球
                          4週    白色     分泌液
                          6週    消失
             後陣痛 産後2~3日に子宮復古の為の子宮収縮で痛みを感じる

 乳汁分泌  分娩後、エストロゲン・プロゲステロンの急激な低下で
       乳汁分泌抑制が解除され、プロラクチン作用増加
               初産婦:産褥2~3日  経産婦:産褥1~2日 で乳汁分泌始まる。

 無月経   卵巣機能が回復するまで、産褥性無月経となる。
           授乳婦   分娩後3~4か月
           非授乳婦  分娩後2か月   授乳婦のほうが長い

【異常産褥】 分娩直後~産褥1か月で発症
 産褥乳腺炎 乳汁うっ滞;生理的乳房腫脹・疼痛
        ⇒ うっ滞性乳腺炎;乳房腫脹・疼痛・熱感・硬結・発赤
       (産褥3,4日)
        ・・・乳房マッサージ、クーリング ⇒ 正常乳汁排出
        ⇒ 化膿性乳腺炎;高熱・乳房発赤・腫脹・腋窩リンパ節腫脹
       (産褥2~4週) 治療:マッサージ・抗菌剤・消炎鎮痛剤
 産褥精神障害 内分泌環境の変化・母親になった環境変化による。
            マタニティーブルース
        産褥3~10日 抑うつ感・不安感・涙もろさ・感情不安定・不眠
      ⇒ 2週間後 症状消失
           産褥期精神病  産褥1か月以内に発症 産褥婦の5~10% 
      ・産後うつ病(抑うつ症状 半数を占める)
      ・神経症様状態(神経衰弱様症状 20%)
      ・非定型精神病様(意識レベル低下、幻覚・瞑想)
      ⇒精神科医受診
  子宮復古不全   子宮復古の遅延により、子宮からの出血が続き、大きく柔らかい子宮
           原因
           器質的:胎盤片、卵膜残存・子宮筋腫・感染症
           機能的:子宮筋過伸展(多胎、羊水過多9・子宮筋疲労(遷延分娩)
          症状
           血清悪露の持続
         治療
            子宮収縮剤
          遺残物の除去
 産褥熱         分娩後24時間~産褥10日に38℃以上の高熱が続く
            下腹部痛・悪臭を伴う悪露
        治療
        感染源の除去
        抗菌剤
 血栓性静脈炎 肥満・高齢・帝王切開後下肢疼痛・腫脹・発赤
            表在性血栓性静脈炎:下肢静脈怒張・血栓部圧痛
            深部静脈血栓症:深部静脈血栓患側の腫脹・浮腫
          血栓が肺に飛び呼吸困難・胸痛が起こる肺血栓塞栓症になり肺梗塞
          で死亡することもある。
              検査
         超音波・MRアンギオグラフィー
        治療
        予防:早期離床・弾性ストッキング
        薬物治療:抗凝固剤・血栓溶解剤
 
  以上が分娩後の正常と異常を簡単に記載しましたが、特に、近年分娩後に育児に疲れで虐待や、育児放棄、うつ病の発症など様々な変化を訴えられる事が見受けられます。
 ご主人を含め、周りの人の協力により、お子様の健やかな成長・育児に携われることを、願っています。

廿日市"子育て応援室"勉強会 9「分娩」

2019年02月01日

「分娩の分類」
・分娩回数
初産婦・・若年初産(19歳未満の初産婦高年初産婦(35歳以上の初産婦)
経産婦・・出産を経験している
・分娩・・母体を中心とした呼称  出産・・児を中心とした呼称
・分娩の各分類
 分娩経過による
   正常分娩 異常分娩
 分娩経路による
   経膣分娩 帝王切開分娩 吸引分娩
 {分娩経過}分娩の進行・・初産婦で平均14時間30
分娩第Ⅰ期・・10分毎の陣痛開始~子宮口全開大(10cm開大)
分娩第Ⅱ期・・子宮口全開大~児の娩出まで 出産
分娩第Ⅲ期・・児娩出後、胎盤娩出終了まで
 {分娩の3要素}
娩出力・・児を母親の体内から外に出す力  陣痛
産道 ・・体内から児が出てくる通り道   軟産道 子宮・膣
                     骨産道 骨盤
娩出物・・胎児及び胎児付属物(胎盤・臍帯)
 以上三要素が重なって分娩がスムースに進みます。一つがうまくいかない  
と分娩が妨げられ難産となります。
「分娩の異常」
 娩出力の異常 
  ・微弱陣痛・・陣痛が弱い
  ・過強陣痛・・陣痛が普通より強い
 産道の異常
  ・児頭骨盤不均衡・・骨盤内を児が通過できない(児頭が大きいか骨盤が小さい)
  ・軟産道強靭・・
 娩出物の異常
  ・巨大児
  ・胎位の異常・・児の向きの異常(正常では頭位)
    骨盤位(逆子)・横位・斜位
  ・胎勢の異常・・胎児の姿勢の異常
    反屈位・・顔が反っている 
低在横定位・・正常では頭が外に出るときにお母さんのお尻を向いて
       出るのが横を向いて出る
後方後頭位・・お母さんのお腹を向いて出てくる

  文責 院長


廿日市市"子育て応援室"勉強会8「妊娠後期」

2018年11月05日

「妊娠後期」     平成301022
 妊娠8ヶ月(280日)~妊娠10ヶ月(406)までを妊娠後期と言い、
この時期には早産・妊娠高血圧症候群に注意が必要です。
 早産・胎盤位置異常に関しては、寄稿済みなので今回は省きます。
「正常な母体の変化」
 心臓・肺が圧迫され息苦しくなる。胃の圧迫にて吐き気が起こる
      ⇒ HELLP症候群との違いに注意
 神経過敏になり不眠になりやすい 
 頻尿・恥骨痛(足の付け根が痛い) ⇒ 胎児の下降による
 子宮の収縮 ⇒ 早産との違いに注意
  お腹の張る回数が増える ⇒ 早産との違いに注意
「妊娠後期の異常」
 胎盤による異常で①位置の異常(前置胎盤・常位胎盤早期剥離)
  ②機能異常 循環不全 妊娠高血圧症候群・胎児発育遅延
        絨毛肥大 妊娠糖尿病
  ③感染・炎症         以上
 機能異常
  妊娠高血圧症候群:妊娠20週以降、分娩後12週まで高血圧(140/90以上)蛋白尿を認める。
  「かかりやすい人」高年妊娠(40歳以上)・高血圧・肥満・
前回妊娠でもかかった人など
  「合併症」母体・・常位胎盤早期剥離(胎盤が妊娠中剥がれる)
           HELLP症候群(溶血・肝機能障害・血小板減少)
           子癇(血圧上昇しけいれん発作)
       胎児・・発育遅延
  「対応」・体形に合った体重管理
      ・疲れを残さない
      ・家庭での血圧測定
      ・状態によっては薬物療法(降圧剤など)
  妊娠糖尿病 :妊娠糖尿病
         妊娠中の明らかな糖尿病
         糖尿病合併妊娠     以上に分けられる。
  「母体への影響」網膜症・腎症・神経障害
  「管理」食事療法・薬物療法(インシュリン)
  「胎児」巨大児・呼吸障害・低カルシウム血症・種々の奇形
感染・炎症
 前期破水:陣痛起こる前に卵膜が破れて破水した状態
  「成因」子宮内感染・子宮壁の過伸展・子宮頸管の脆弱
  「管理」妊娠時期によって異なる
       妊娠34週以前・・胎児の状態で待機又は分娩に
       妊娠34週以降・・分娩に
     ⇒ 絨毛膜羊膜炎に注意
        (子宮内感染により胎児に感染)
             

廿日市"子育て応援室"勉強会7 「合併症妊娠」

2018年07月25日

妊娠時の疾患が、①妊娠・分娩に影響するか?②妊娠・分娩によって疾患に影響を与えないか?の2点で考えることが大切です。
「婦人科疾患」
子宮奇形:流早産、胎児発育不良、分娩時子宮収縮不良による微弱陣痛・弛緩性出血
子宮筋腫:妊娠時・・流早産、胎位(骨盤位など)に影響。疼痛も起こることあり。
          前置胎盤・胎児発育不全・胎盤異常が起こり易い。
     分娩時・・産道通過障害 ⇒ 帝王切開。胎盤早期剥離・弛緩性出血。
          微弱陣痛、弛緩性出血(分娩時大出血)
     産褥期・・子宮復古不全(子宮の戻りが悪く長期に悪露が続く)
子宮頸がん:妊娠継続には影響しない。
      妊娠前に子宮頸管の円錐切除術をしていれば、早産傾向
      進行期によっては、妊娠継続で母体に影響もあるので胎児の子宮外生存を
     選択することもあり、妊娠する前の検査が大切。
卵巣腫瘍:妊娠時・・茎捻転(卵管を中心に捻じれる)・腫瘍の破裂⇒ 流早産
     分娩時・・産道通過障害
     悪性では、直ちに手術が必要。
     良性では、大きさが6cm以下⇒経過観察
              6~10cm ⇒経過観察又は妊娠12週で手術
「代謝・内分泌疾患」
糖尿病 : 糖尿病合併妊娠 妊娠する前から糖尿病
      妊娠糖尿病   妊娠して糖尿病になった。 以上2種類に分かれる。
    妊娠時・・胎児先天奇形・胎児発育不全・胎児機能不全・羊水過多症・
    出生児・・巨大児・呼吸窮迫症候群(出生時新生児呼吸障害)・低血糖など
甲状腺 :機能低下症
    妊娠時・・妊娠高血圧症候群・流産・胎児発育不全
    分娩後・・軽快又は憎悪・新生児機能低下
     機能亢進症
    妊娠時・・妊娠高血圧症候群・胎児発育不全・早産・死産
    分娩後・・産褥期憎悪・新生児機能亢進・甲状腺クリーゼ(多臓器不全)
「消化器疾患」
虫垂炎 :子宮が増大することで診断がつきにくく、重症化しやすい。
    妊娠時・・流早産
        以上、主な疾患について簡単に表示しました。

廿日市"子育て応援室"勉強会 6「不定愁訴」

2018年06月23日

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妊娠中には様々な不快症状が現れます。
今回は、症状の出現率とその対策について簡単にまとめました。

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各症状に対して、健診時には遠慮なく主治医に相談して、適切な判断をしてもらってください。
 今回は、訴えの多い一部の症状についてお示しいたしました。
 快適な妊娠生活を送りましょう。

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