院長コラム

廿日市市"子育て応援室"勉強会2「妊娠初期」

2018年02月02日

妊娠の成立
 排卵⇒受精⇒子宮内着床 の過程を図示した。(受精から子宮内着床まで約7日)
超音波による胎児の発育

 chouonpa1.jpg chouonpa2.jpg chouonpa3.jpg
 
      妊娠4週            妊娠6週        妊娠8週(胎児頭臀長1cm)

母体にとってこの時期における問題点
「悪阻」 妊娠4か月半ば(胎盤形成するまで)
  症状:   悪心・嘔吐・唾液量の増加
  対策・治療:好きなものを少量頻回に摂取(空腹を感じる前に)
        水分摂取ができなければ、脱水になるため点滴治療
  考え方  :赤ちゃんが元気に育っているから起こると、思うことが大切。
「流産」妊娠7~8週に多く、全妊娠の10%前後
  症状:出血・下腹部痛
  原因:2/3は赤ちゃんの染色体異常
  分類:切迫流産・進行流産・完全流産・不全流産・稽留流産
     赤ちゃんが元気で(心拍確認)出血するのは、切迫流産
  治療:安静   流産予防、流産時の注意として自宅での安静が第一。
     妊娠時に無駄に動いたり、旅行に行ったりしない事。
「流産と間違えやすい病気」   出血を起こす病気
  子宮外妊娠(異所性妊娠) 子宮以外に妊娠
  胞状奇胎  胎盤が変化して胎児の確認できず、がんになる可能性もある
  絨毛膜下血腫  子宮内膜と卵膜間の出血
この時期の主な検査
  出生前診断  染色体異常の有無に関する検査(NIPT、絨毛検査、羊水検査、
         超音波による胎児NT検査 など)
  感染症検査  風疹、サイトメガロウイルス、梅毒、クラミジア
以上について勉強した。この時期に母子手帳交付されるため、この時期から妊婦に対して、医師・行政・地域のボランティアなどでの手厚い支援が必要。  21

廿日市市役所 "子育て応援室"勉強会

2018年01月12日

あけましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いいたします。
 近年、少子化による人口減少が社会問題になっているにもかかわらず、児童虐待はおさまる様子もなく、この主な原因は、育児不安・親の精神的な貧困によるものと思われます。
現在、日本は核家族化し、育児において安心して相談できる施設が少ないのが現状です。育児支援として“産後ケアセンター”などの設置している自治体も存在しますが、設置費用・人材確保などの問題から日本全土に普及させるには、高いハードルのため、なかなか実現しないのが現状です。
また、広島市に一昨年来助産師会嘱託で誕生した“産後センター”など各病院で産後ケアへの取り組みが行われていますが、廿日市市では実施されていないのが現状です。
本年から、広島県ではフィンランドのネウボラを元にした、妊娠中から就業までの
ケアを将来的に全県下で設置する予定とのことです。
 昨年、廿日市市は子育て応援室を「ネウボラはつかいち」と命名して今後産後ケアへ取り組みを行われる部署に変貌される様子です。
 廿日市市は、以前より各地区に“ママフレンド”という地域のボランティアの方々がおられ、市役所と地域への連携を計っているのが現状です。
 そこで、昨年、子育て応援室・障害福祉課・健康推進課のスタッフの知識向上を目的として、3月から12月まで毎月1回市内の“アイプラザ”において産科の勉強会を行ったので、その内容について要旨を次回から報告したいと思います。
 第1回 3月7日   「妊娠初期」
 第2回 4月11日   「妊娠中期」
 第3回 5月9日   「妊娠合併症(感染症)」
 第4回 6月13日   「妊娠時不定愁訴解決法」
 第5回 7月11日  「早産」
  第6回 9月12日  「合併症妊娠」
 第7回 10月10日 「妊娠後期」
 第8回 11月6日  「分娩」
 第9回 12月12日 「産褥・新生児」
以上、9回の勉強会を行いました。
産後ケアセンターが無くても、妊婦さんに接するスタッフの方々が正しい知識の元に
妊婦さんと接して、何時でも相談のできる状態が妊婦さんに安心感を与えられることと
思っています。
 
                          2018.1

妊娠時の栄養

2017年10月27日


先日、バイエル製薬にて“妊娠と栄養(特に葉酸について)”の講演を行ったので、
詳細について説明します。
 妊娠各時期において、必要な栄養が関係する病気・対策について
妊娠初期(妊娠234か月):悪阻が主に関係
  悪阻への対応・・ビタミンB6 摂取
①  食べたくなる前に頻回に食事
②  食べたいものを摂取
③  少量を頻回に摂取
  妊娠56週で胎児の神経管閉鎖障害(無脳児・二分脊椎)予防・・葉酸摂取
       本来なら妊娠の1か月前よりの摂取が有効。1480㎍摂取。
       葉酸は、食事摂取では難しいので、サプリメントで摂取。
  良質のたんぱく質(肉・魚・卵・牛乳)
ビタミンE(レバー・サバ・イワシ)・・流産予防すると言われている
食物繊維(緑黄野菜・根菜・豆類・海草)・・便秘の予防
【過剰摂取注意食品】ビタミンA(レバー・うなぎ)
          水銀(マグロ・イワシ・サケなど遠洋魚類)週1回程度に
      ・・ビタミンA・水銀共に胎児奇形ができる可能性がある。
妊娠中期(妊娠567か月) つわりが治まり食べ過ぎに注意しましょう。
  骨形成・・カルシウム(牛乳・ヨーグルト・木綿豆腐)
  貧血予防・・鉄分(レバー・豆腐・ひじき・納豆・ブロッコリー)
        ビタミンB12(あさり・かき・さんま・牛ひれ) 葉酸吸収
        ビタミンC(レモン・キウイ・ピーマン・モロヘイヤ) 鉄分吸収↑
妊娠後期(妊娠8910か月) 妊娠高血圧症候群・・体重増加に注意
                分娩時・・微弱陣痛・分娩時大出血 予防
  葉酸・鉄分摂取・・貧血により出血が多くなる可能性がある。
ビタミンK(カイワレ大根・モロヘイヤ・大根の葉)・・出血を抑える。
・妊娠中全期を通じて、鉄分・葉酸の摂取は赤ちゃんの成長に影響します。
葉酸は食事摂取は難しいので、サプリメントによる摂取をしましょう
・体重増加は、妊娠高血圧症候群などを合併します。妊娠中期以後は500g/週以下の
増加に注意しましょう。
 但し、ダイエットすることは避けましょう。ダイエットで低体重児が出生すると、中学・高校時に思春期生活習慣病が発症と言われています。(Barker説)
・酒・たばこは絶対禁忌です。
               体重増加基準は、BMI(体重/身長二乗)で算出された体格により
 グラフ.jpg
グラフ2.jpg
                                       平成29年10月26日

早産を防ごう

2017年08月30日

早産を防ごう
 平成29年7月22日(土)廿日市市商工保険会館で“快適な妊娠生活を送るために”
という当医院主催のフォーラムを開催しましたので、報告します。
 私の担当は、“早産予防”で今回は詳細について報告します。
 早産とは、妊娠23週から妊娠36週6日までの分娩を言います。
 近年、妊娠年齢の高齢化と共に増加傾向にあると言われ、全分娩の5~10%です。
【原因】①母体 頸管無力症(子宮頸管の手術後)・子宮奇形
        経妊、経産回数・セックス・高年齢・高血圧・タバコ
        若年妊娠・流早産の既往・歯周病 
    ②胎児 前期破水・羊水の感染 児の奇形・多胎妊娠・前置胎盤
【症状】お腹の張り       子宮収縮
    お腹の痛み     ⇒ 腹壁緊迫感、陣痛様の定期的痛み
    おりものの増加     破水
   子宮の固くなったこと、おりもの、痛みに気づくことが大切。
【検査】超音波検査  子宮頸管の長さの計測 平均3.5~4.5cm
                      3cm以下で入院、2.5cmで出産の可能性がある。
    分泌物検査(おりもの) 
           顆粒球エラスターゼ 炎症を確認
           胎児性フィブロネクチン  炎症、頸管無力症判定
【治療】①安静  自宅安静・・重いものを持たない。買い物は控える。
               上の子を抱かない。仕事は場合によっては休む。
入院
    ②薬による治療 抗菌剤、抗炎症剤、膣洗浄、
            子宮収縮抑制剤 経口・点滴
    ③手術 妊娠初期に頸管縫縮術 (子宮の入り口を結ぶ)
【予防】①無理をしない(余分な動きをしない) ②ストレスを貯めない 
③妊娠の異常に気づく(張り、痛み、おりものの増加など)
    ④歯の管理
【早産児の合併症】 身体が小さいだけではなく身体全ての発育不全
    脳室内出血、呼吸障害、脳性麻痺、視力・聴力障害など
【予後】生存率は28週、1000g以下では高率:後遺症・・5~10%  新生児死亡 10.5%
【児の将来】 早産で低体重を出生すると、中学・高校で若年性糖尿病、高血圧になる      
   と言われている。
【まとめ】妊娠中は、旅行などの計画を立てず、家族も協力して上の子の世話や、買い物などをアシストし、仕事場の人も配慮し、自分でも常に異常に対処する。
   また、何かあれば、その時点でかかりつけに相談を。

妊娠中期~後期 超音波検査

2017年06月20日

前回は、妊娠初期における超音波検査についてお話ししましたが、今回は妊娠中期~妊娠後期の超音波検査についてお話しします。
妊娠18週~妊娠22
この時期になると、赤ちゃんの頭部・体部・四肢が明瞭になります。
当院では、妊娠5か月になると、日本の風習に従い戌の日に着帯の指導を行います。
当日は、(古いと言われるかもしれませんが)日本古来のさらし又は当院オリジナルのオーガニックコットンでの腹帯に、私の直筆(朱色で筆による)で"寿"を書いてその後に当医院助産師による今後の注意点などの指導を行います。
1、胎盤の付着部のチェック
前置胎盤の有無(胎盤の付着部が子宮口を塞いでいないか)
胎盤の付着部が子宮の前壁か後壁? ・・今後の出血などの予想をします。
2. 赤ちゃんのチェック
  ① 頭部 ・・大脳・小脳のチェック・・異常の有無確認
         側脳室の計測・・ 水頭症のチェック
         脳室・脳の形成異常の有無をチェック
  ② 眼窩の位置・距離をチェック  ・・単眼の有無
  ③ 口唇・鼻のチェック  ・・口唇裂の有無
  ④ 肩甲・頸部のチェック ・・形態異常の有無
  ⑤ 脊椎のチェック ・・二分脊椎・髄膜瘤の有無
  ⑥ 肋骨の形態・横隔膜の確認
  ⑦ 心臓位置・形態チェック ・・心臓四腔断面・心房、心室など異常の有無
  ⑧ 胃胞位置・形態 ・・十二指腸閉鎖の有無
  ⑨ 腹壁のチェック ・・臍帯ヘルニアの有無
  ⑩ 膀胱チェック ・・腫瘍の有無
  ⑪ 羊水量のチェック・・羊水過多・過少症の有無
 3. 胎児体重の計測
  大横径計測・・胎児の耳の高さの横断長さ計測
  胎児大腿骨長さの計測
  腹部の断面積計測 ・・臍帯静脈・胃胞を描写しで断面積計測
     以上、3か所の計測値を多変量解析によって体重推定し
    週数に比べて大きいか小さいかを推定することで栄養状態が推定できます
 4.胎児性別の判定 
 5.胎児顔面の4D画像の描写 ・・妊娠24週頃に胎児の向きが良ければ描写。
 6.早産傾向の推定 ・・ 子宮頸管の計測

babyimage03.jpg  babyimage02.jpg

babyimage04.jpg  babyimage05.jpg
  男の子             女の子

以上が、妊娠中期に当院で行っている超音波検査です。

                          院長

診療時間

  午前の部
9:00〜 12:00
午後の部
14:00〜 17:30
× ×
17:00まで
12:30まで ×

毎月の診療時間、各種教室・イベントなどのスケジュールは、こちらからご確認ください。

診療・イベントカレンダー

お問い合わせ

TEL:0829-39-1131
FAX:0829-39-1138

メールでのお問い合わせ


〒738-0034
広島県廿日市市宮内1448-1

交通・アクセス(地図)