院長コラム

2012年2月の記事一覧

避妊法・妊娠がわかったら

2012年02月26日

避妊法

避妊法は、自分で出来ることと、産婦人科を受診する必要があるものがあります。


名称 原理 失敗率 備考
コンドーム 精子の膣内進入阻止 14% 正しく使用する事が難、途中抜ける、破損など
ペッサリー 子宮口にゴム製キャップ 20% サイズを医師が確認、日本では未使用
殺精子剤 膣内に挿入し精子を殺す 20% 錠剤・ゼリー、効果持続時間がある
ピル ホルモン剤で排卵抑制 0.1% 安全性が高い、医療機関で処方
IUD(リング) 子宮内に器具を挿入、着床を防ぐ 0.1% 指定医による挿入、不正出血
緊急避妊 排卵を遅らせる、着床を防ぐ 1% 薬の副作用、その後も避妊を要する
基礎体温 グラフによって性周期を把握して妊娠しやすい時期を推定 - 排卵時期・卵巣機能・妊娠の早期診断・次回生理予想が可能
排卵日確定に正確さが欠ける。
膣外射精 外部で射精 - タイミングを逃し、失敗しやすい。

緊急避妊

緊急避妊とは、避妊に失敗した場合に使用され、

  1. 排卵抑制・受精阻害作用
  2. 子宮内膜に受精卵が着床しにくくする。

などの作用があり、現在はピルを使って72時間以内に2回服用することが行われていますが、最近、フランスで開発され海外で48カ国に認可されていた“ノルレボ錠0.75mg”が、今回日本でも5月頃に発売されます。
服用方法は、性交後72時間以内に2錠服用するだけで、従来の薬であった吐き気などの副作用の少ない薬です。もちろん常用する薬ではありません。
全く望まない妊娠(例えばレイプなど)の場合に緊急に使用される薬と思って下さい。

  1. 最後に、広島県産婦人科医会では県警の性犯罪協力医となっています。性犯罪を受けた場合は早急に産婦人科医に相談ください。
  2. もし、加害者が車で逃走した場合にはナンバーを控えておいて下さい。性犯罪撲滅のために泣き寝入りするのではなく、報告を。県警からの通達です。

受験生ピル

試験日が生理にかからないように調節。


妊娠ごく初期の症状

超初期の症状

  1. 月経の停止:予定生理が過ぎても月経が来ない。
  2. 着床期出血:予定生理近くで、子宮内膜の充血などで生理より少ない出血を認める。
  3. 基礎体温の高温期が20日以上続く。
  4. 乳房が張る:予定生理を過ぎた辺りから感じる人もいる。
  5. 吐き気がする:個人差がある。
  6. 熱っぽい・身体がだるい・眠い:高温期のために風邪様の症状がある。
  7. お腹が張って便秘がち:卵巣のホルモン(プロラクチン)により腸管の動きが悪くなる。

妊娠初期症状

  1. 妊娠反応が陽性にでる:予定生理が過ぎた時点から反応。
  2.  悪阻が始まる:吐き気、嘔吐、食欲不振
  3. 出血:着床期出血は心配いりませんが、念のために受診すること。
  4. お腹の張り・痛み:出血が無い場合には、お腹を温めるか安静にして治まれば心配なし。
  5. 乳房の張り:生理的事なので心配なく、刺激を加えない下着をつける。
  6. 頭痛:自律神経の乱れでおこり、十分な睡眠を取るか、薬を処方して貰う。
  7. 便秘:植物繊維の多い食事をするか、緩下剤を処方して貰う。
  8. 頻尿:生理的な事なので、排尿時痛がなければ心配なし。
  9. おりもの:痒みがなく、白?黄色であれば心配なし。
  10. 寒気:体温の上昇で感じる。
  11. 基礎体温の上昇

妊娠が判ったら

妊娠反応試薬で反応が出るとするべき事。

  • 妊娠5週には産婦人科を受診。(予定生理が1週間遅れた時点)
  • 超音波による胎児の確認は妊娠5週末?6週で確認でき、胎児心拍が確認できれば、医療機関によって母子健康手帳の手続き書の記入⇒市役所、役場、健康福祉センターなどで母子健康手帳を交付。
  • 母子健康手帳には検査の補助券がついており、妊娠8週?9週(3ヵ月始め)には医療機関で赤ちゃんに必要な検査を受けて下さい。
  • 流産には十分な注意をして、動き回ったりせずに通常の日常生活以上の行動を慎みましょう。

妊娠がわかったら準備するもの

2012年02月25日

平成22年1月28日(木)放送

妊娠が判って妊娠中・産後に準備するもの、及び妊娠中・分娩時の必要金額の概算を調べてみました。
 

準備するもの

妊娠初期
まだどんな服装でも良いのですが出来るだけ締め付けない方がいい。
準備品:母子健康手帳・腹帯(トコチャンベルト)・マッサージクリーム(妊娠線予防)
注意点:分娩場所の確保(特にクリニックにかかっている人、里帰り予定の人)
服装は:ゆったりしたものを着用し滑りにくいローヒールを履く。
妊娠中期以後
バスト、ウエストのサイズがかなり変化。可能なら夏、冬兼用に。
準備品:分娩後・産後の必要品を徐々に揃える。
注意点:規則正しい生活。バランスの取れた食事。分娩時の呼吸法の練習。乳房の手入れ。分娩に対しての身体の準備。入院時の交通手段の確認。緊急連絡先の確認(夫、病院)。
服装は:下着はマタニティ用のゆったりしたものをつけ、産後にも使用。ショーツは100%コットン。授乳用のブラジャー(2ランク大きめ)。
入院時
産院で支給される場合もあり必ず確認を。
準備品:基本的にはお母さんが分娩後・退院時着用するもの。赤ちゃんが退院時着用するもの。(短い肌着、下着、ベビードレス)赤ちゃんが帰ってからの必要物品(ほ乳瓶、ベビーベット、ベビー布団、紙おむつ、体温計, オムツカバー、ベビーバス、沐浴剤など)
 

妊娠から分娩後までの必要金額

妊娠時
妊娠判明で初診時:12,000?15,000円位 妊娠時の健診は平成22年まで補助金が支給。
地域によって回数、金額が異なる分娩まで補助金を受けて負担金:約35,000?50,000
分娩時
産科補償制度に加盟している施設:420,000円支給
産科補償制度に加盟していない施設:390,000円支給
基本分娩費は各施設によって異なるので施設の分娩にかかった費用と出産育児一時金の差額を支払う事になりますが、                     
1. 直接支払いをする場合
直接支払制度の合意書に必要事項を記入
健康保険証を産院に提示。(退職した会社の保険での支払いは資格喪失を証明する書類が必要)。42万円より安い場合差額分支払われる。
2. 産後申請する場合
直接支払制度を利用しない書類の記載。退院時分娩費、入院費を全額支払う。産後分娩領収書、利用しない合意書類を加入している健康保険の申請先に提出。申請後3週間から1ヵ月で入金される。

つわりの対策・解決法

2012年02月24日

平成22年8月26日(木)放送

 

つわりはなぜ起こるのか?

  1. 妊娠に伴う母体の生理的変化
  2. 妊娠によって変化したホルモンとの関連[HCG(胎盤から形成されるホルモン)など]

現在のところ詳細は不明であるが、精神的な因子が関与。
【頻度】
入院治療を要するものは、全妊娠の1?2%。
【症状】
悪心・嘔吐。唾液量の増加。全身倦怠感。頭痛。眠気。食欲不振。嗜好の変化。
酷くなると、妊娠悪阻に発展し、一日中続く頻回の嘔吐。食事摂取困難。5kg以上の体重減少。脱水。饑餓。に発展する。
【診断】
悪心・嘔吐を起こす他の病気に気をつけて対処。(例えば、消化器疾患。肝・胆嚢疾患。脳疾患など)
【治療】

  1. 食事療法:好きな物を少量頻回に摂取。悪心・嘔吐が強く食事療法が不可能な場合には絶食にして輸液。
  2. 輸液療法:ブドウ糖を1日1,000?3000ml点滴。
  3. 薬物投与:制吐剤(吐き気止め)。ビタミンB1。
  4. 最悪の場合:人工妊娠中絶。

【合併症】
肝機能障害が最も多く出現。産褥うつ病にもなりやすいとの報告。
【対策】

  1. 空腹で食事を摂取するのではなく、空腹になる前に好きな物を摂取。
  2. つわりの時期によって
    朝起床時につらい(morninng sickness):夜就寝前に好きな物を摂取。就寝前に冷蔵庫内に好きな物を冷やし夜中に摂取。起床時に枕元の水分を摂取。
    昼につらい:ブランチか、自分の好きな物を少し摂取(例えばチョコ)。
    夕方つらい:おやつを取る(昼と夕食の間)。
    就寝前がつらい:夕食後に何か摂取。
  3. 病院で点滴又は静脈注射。
  4. 栄養失調にならないよう注意し食事を工夫。

【乗り切る工夫】

  • 朝起きたときにすぐ何か取れるよう枕元に水分・食事を置く。
  • 食べたいものを時間は考えず摂取。
  • 安静にするか、趣味などをこなす。
  • 外出は空腹を避け糖質の補給。
  • 家事や仕事に無理をしない。

妊娠初期の生活および注意点

2012年02月23日

平成19年9月27日(木曜日)広島FM放送(HFM) オーバー・ザ・レインボーにて放送しました。番組では、『妊娠初期の生活および注意点』についてお話ししました。
 

妊娠初期の兆候

  1. 体が重い、だるい感じ。
  2. 眠たい。
  3. 気分が不安定になる。:生理前と同じ症状で卵巣からのプロゲステロン分泌による。

 

妊娠初期の症状

  1. 出血 :着床期出血・月経様出血・びんらんから出血・流産による出血。
  2. 腹痛、下腹部痛 :子宮円靭帯の引きつれ・流産・便秘。

 

妊娠初期の注意

  1. 薬の服用:妊娠3ヵ月以内は薬により赤ちゃんに催奇性の危険がある。
  2. レントゲン:大量照射でなければ安全(ex.胸部・胃透視・歯など)
  3. お酒:赤ちゃんはアルコールを分解する酵素がないので胎児アルコール症候群に。
  4. たばこ:タバコにより母体からの血行が悪くなり赤ちゃんが酸欠また子宮収縮。
  5. コーヒー、紅茶、日本茶:1日2?3杯程度に、カフェインは胎盤を通過。
  6. 仕事:妊娠したら職場に伝えておく。通常の仕事は可。
  7. ペット:トキソプラブマが寄生の可能性あり。口移しで餌を与えない。
  8. 旅行:流産の可能性もあり、遠方は注意。
  9. 美容院:初期は皮膚が敏感になっているのでカラー・パーマに注意。中期からに。

 

妊娠初期の栄養

  1. 葉酸の摂取 :胎児の神経管奇形を減少。
  2. 便秘にならない食生活、薬は医師の処方されたものを服用のこと。

 

妊娠初期の注意すべき感染症

  1. 風疹   :妊娠16週未満で風疹症候群に。(白内障・難聴・先天性心疾患)
  2. 水疱瘡  :妊娠20週以前では先天性水痘に。(皮膚瘢痕・四肢低形成・精神発達遅延)
  3. りんご病 :赤血球を壊し胎児水腫となり約10%流産。

 

妊娠初期の心と体の変化

  1. 便秘しがちになる。
  2. 乳頭が敏感になり、乳輪が黒ずむ。
  3. 体が熱っぽく、風邪と間違えやすい。
  4. 肌荒れ、シミソバカスが目立ち、化粧ののりが悪くなる。
  5. おりものの量が増える。

妊娠初期の異常について

2012年02月22日

平成19年10月25日、広島FM放送(HFM) オーバー・ザ・レインボーにて放送しました。
 

妊娠初期に起こりやすい症状と病気

出血

  • 流産                      
  • 子宮外妊娠                      
  • 胞状奇胎(胎盤がブドウの房のようになる)   
  • 着床期出血                      
  • 子宮膣部びらん・子宮頸部がん          
  • 子宮頸管ポリープ


下腹部痛

  • 流産
  • 子宮外妊娠
  • 卵巣嚢腫茎捻転(ねじれ)
  • 便秘・下痢
  • 子宮の成長


おりものの増加

  • ホルモンの影響
  • トリコモナス膣炎
  • カンジダ膣炎


熱っぽい・だるい
卵巣ホルモン(プロゲステロンによる)

トイレが近い
子宮の圧迫、時に膀胱炎
 

妊娠初期の病気

つわり、流産、子宮外妊娠、胞状奇胎

妊娠悪阻
つわり症状がひどくなり、嘔吐を繰り返し体重減少、脱水、飢餓状態になる。
【原因】不明。妊娠初期の急激なホルモン環境・代謝の変化・環境要因の変化
【治療・管理】食事(好きなものを好きなだけ食べる。入院して絶食・輸液療法)薬剤、漢方薬。制吐剤 ※全妊娠の1%

流産
妊娠22週未満(6ヵ月)の妊娠の中絶 ※全妊娠の10?15%に起こる
【原因】

  1. 胎児の染色体異常(50?60%)
  2. 子宮の形態異常
  3. ホルモン異常
  4. 免疫異常
  5. 感染症
  6. 身体的疲労(仕事・引っ越し・旅行など)

【症状】少量の性器出血(赤色・茶色)・下腹部痛・お腹の張り
【分類】
切迫流産:胎児は生存子宮内膜に着床するための出血
稽留流産:子宮内に胎児は生存していないのに症状がない
進行流産:流産が進行して胎児が出掛かっている
完全流産:胎児およびその付属物が完全に排出
不完全流産:胎児およびその付属物が完全に排出されず一部残っている
反復流産:2回流産。習慣性流産(不育症):3回以上流産  
絨毛膜下血腫:胎嚢と子宮内膜の間に血液が貯まって出血
【治療】安静・薬物治療・入院・最悪の場合手術

子宮外妊娠
受精卵が子宮腔以外に着床する。 ※全妊娠の1?2%
【分類】卵管妊娠・卵巣妊娠・腹膜妊娠・子宮頸管妊娠 98%が卵管妊娠
【原因】卵管の異常・受精卵の異常・子宮の異常 クラミジア感染と関連
【症状】無月経・少量の性器出血・下腹部痛。着床部位(卵管)で破裂をして腹腔に血液が貯留しショック状態に陥ることもある。
【診断】妊娠反応・超音波
【治療】腹腔鏡下手術・開腹手術・薬物治療(MTX抗ガン剤)

胞状奇胎
胎盤や卵膜を作る絨毛が葡萄の粒状になり胎児が正常に発育できない。
【原因】染色体異常 400?500人に1人、アジア、17歳未満、30代後半に多い
【症状】性器出血、強い悪阻、子宮の増大
【診断】超音波、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)の高値
【治療】子宮内容除去術→子宮内容ソウハ術 絨毛がんにならないように管理(奇胎後1?2%に絨毛がんが発生)

妊娠中期の生活および注意点

2012年02月21日

平成19年11月29日、広島FM放送(HFM) オーバー・ザ・レインボーにて放送しました。

妊娠中期は一般的には安定期と言われています。
 

妊娠中期の兆候

  1. 子宮が大きくなり外からお腹が目立ち始める。
  2. 胎動を感じる。
  3. 乳腺が発達する。
  4. 胃が圧迫されて、つわりと同じような症状がする。
  5. 仰向けに寝るとしんどい。(仰臥位低血圧症候群)

 

妊娠中期のマイナートラブル

妊娠中に良く起こる不快症状
 

  不快症状 対策
不眠 ホルモンのバランスの崩れ。 昼間の散歩
腰痛 お腹が大きくなり反り返る姿勢で起こる。 適度な運動(ビクスなど)
めまい 自律神経の調節が悪くなる。貧血。 急に立ち上がらない。人混に注意
静脈瘤 下半身の静脈が悪く血管が瘤の様に。 弾性ストッキング、足を高くして就寝
むくみ 下半身のうっ血し水分が貯まりやすい 足を高くして就寝、塩分を控える 
妊娠線 皮下組織の断裂、産後完全には消えない 妊娠線予防クリーム、太らないこと
便秘 子宮の増大によるうっ血で腸の運動低下。 食生活、下剤(医師の処方で)
子宮の圧迫、便秘 排便習慣、座薬、軟膏
頻尿、尿漏れ 子宮の圧迫、膀胱炎、破水との区別 就寝前に水分摂取や、我慢しない

 

妊娠中期の注意・変化

  • 腹帯の着用・・・5ヵ月の戌の日に日本では江戸時代からの習慣。犬の安産にあやかるもので、医学的には意味がない。臍までのショーツで十分
  • 体重増加に注意・・・食欲がでます。後期に妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)にならないために1週間に500g以上増えないこと。
  • 乳腺の手入れ・・・母乳で育てたい場合(特に陥没乳頭の人)には、この頃から手入れをする。
  • 母親学級を受け正しい妊娠の知識を得る・・・ かかりつけの産婦人科で行っている学級は最低限受講してください。
  • マタニティースポーツを開始・・・マタニティービクス・マタニティヨガ・スイミングなどで他のお母さんと交流 し、体力をつけ肩こり、腰痛を解消。
  • セックス・・・激しいセックスは控える。
  • 早産にならないように注意・・・無理な旅行、お腹が張っているのに運動(散歩)をするなど。この頃から健診は4週間毎になります。変化があれば自分で判断しないで必ず病院に問い合わせた方が安心です。    

妊娠中期に起こりやすい症状と病気

2012年02月20日

平成20年1月31日広島FM放送(HFM) オーバー・ザ・レインボーにて放送しました。
 

妊娠中期に起こりやすい症状と病気

出血

  • 早産
  • 胎盤早期剥離
  • 前置胎盤

腹痛(お腹の張り)

  • 早産
  • 胎盤早期剥離

 

妊娠中期の病気

早産
妊娠22週(6ヵ月半ば)から妊娠37週未満(10ヵ月)に分娩すること
【頻度】約5%、妊娠34週未満は赤ちゃんの予後不良
【原因】

  1. 頚管無力症
  2. 炎症(絨毛膜羊膜炎)
  3. 破水
  4. 多胎妊娠

【症状】

  1. 出血
  2. 月経痛様の下腹部痛
  3. 破水

【治療】

  1. 安静
  2. 子宮収縮(陣痛)抑制剤の服用
  3. 頚管縫縮術(子宮口を縛る)


前置胎盤
胎盤の一部または大部分が子宮下部(子宮峡部)に付着し内子宮口に及ぶ
【頻度】0.5%、多産婦に多い
【原因】

  1. 妊卵の下方付着
  2. 頻回な人工中絶・内膜の炎症・損傷
  3. 多産・帝王切開既往
  4. 喫煙

【症状】

  1. 無痛性の出血
  2. 内診での出血
  3. 陣痛時出血増量

【診断】超音波診断 20週から24週以降が望ましい
【管理】出血に注意し、帝王切開がいつでもできる準備

常位胎盤早期剥離
正常の位置に付着した胎盤が胎児が生まれる前に剥がれる。
【頻度】0.3?0.9%
【発症誘因】

  1. 妊娠高血圧症候群
  2. 再発(5?15%)
  3. 絨毛膜羊膜炎
  4. 喫煙

【症状】

  1. 出血
  2. 剥離部の痛み
  3. ショック症状

【診断】超音波診断 胎児心拍モニター
【治療】早期診断、早期治療が原則。帝王切開が多い。

羊水過多症
羊水量が800mlを超える。20%先天性奇形を伴う。
【原因】羊水産生過剰(糖尿病・双胎)羊水吸収低下(消化管閉鎖など)
【症状】腹部緊満感・呼吸困難・頻尿 分娩時陣痛微弱、多量出血
【診断】超音波診断
【治療】安静・羊水吸引

羊水過少症
羊水量が100mlを下回る場合。
【原因】羊水産生障害(腎臓無形成・尿管閉鎖・双胎)羊水流出(破水)
【症状】臍帯の圧迫(胎児機能不全)子宮の圧迫(肺低形成・四肢変形)
【診断】超音波診断
【治療】人工羊水注入・早期分娩(奇形以外)

妊娠後期の生活及び注意点

2012年02月19日

平成20年2月28日(木)放送原稿

そろそろお産が近づき、お腹も大きくなってきます。
 

妊娠後期の兆候

  • 仰臥位低血圧症候群
    子宮の増大により背部にある下大静脈を圧迫することにより仰向けに寝ると苦しくなる。
    ⇒左下に寝る。
  • つわりのような症状
    子宮が胃を圧迫して吐き気・胸やけがおこる
    ⇒少なめの食事摂取。お産が近づくと赤ちゃんが骨盤に下降するため食べやすくなる。
  • 不眠
    精神的な不安によって起こる。
    ⇒適度の散歩などで気分転換。下半身を高めにして睡眠。
  • 時々お腹が張る
    37週までは早産です。張った場合は少し休む。
  • 腰痛・恥骨の痛み
    赤ちゃんが骨盤に下降するため。
    ⇒妊婦体操・適度な運動
  • 頻尿・尿漏れ
    子宮の圧迫でおこる。
    ⇒膀胱炎と区別(排尿後痛がなければ大丈夫)下着を頻回に交換
     

妊娠後期の注意

  • 早産に注意
    お腹が張るときはあまり動き回らない。
  • 妊娠高血圧症候群(旧妊娠中毒症)の予防
    食べられる時期になっても食べ過ぎない。
  • むくみ
    夜になるとむくみが出現。足を高くするかマッサージ

 

妊娠後期の準備事項

  • 入院時の荷物をそろえる。家族との連絡先の確認。
  • 留守中の食事・洗濯などを夫に指示
  • 入院費用の確認(出産育児一時金の事前申請):会社(夫、自分)国保なら市役所
  • 赤ちゃん用品の確認
  • 入院方法の確認、退院後の準備
     

里帰り分娩の場合

  • 時期:32週?34週が理想
  • 紹介状を現在の医師からもらう。
  • 里帰り時の交通機関の確認

 

分娩の兆候

  • おしるし
  • 陣痛
  • 破水

以上のいずれかが出現
分娩にむけて、34週過ぎたら2km(1日)程度の散歩、呼吸法の練習・乳房の手入れをする。(分娩後授乳出来るために)
など分娩への心構えをしておく。

妊娠後期の異常

2012年02月18日

平成20年3月27日(木)放送原稿

骨盤位

通常赤ちゃんは、お母さんの子宮の中で頭を下にした姿勢(頭位)をとりますが、何らかの原因で頭が下にない状態になった場合。頻度は3?5%。
【原因】
子宮、骨盤腔内の異常

  1. 子宮の形態異常
  2. 子宮筋腫
  3. 前置胎盤・胎盤位置異常
  4. 骨盤内腫瘤、腫瘍
  5. 狭骨盤

胎児側の異常

  1. 多胎妊娠
  2. 未熟児
  3. 胎児奇形、染色体異常
  4. 羊水過多
  5. 胎児の自己回転

【治療】

  1. 胸膝位
  2. ブリッジ法
  3. 外回転術
  4. 鍼灸療法:三陰交、至陰

【分娩リスク】

  1. 臍帯脱出
  2. 未熟児の出産
  3. 先天異常:頭位2.4%、骨盤位6.3%

【分娩方法】

  1. 経膣分娩
  2. 帝王切開
     

胎盤機能不全

【胎盤の異常によって起こる病気】

  • 付着部の異常⇒前置胎盤・癒着胎盤
  • 機能異常⇒循環不全・血管内凝固⇒妊娠高血圧症候群・常位胎盤早期剥離・
  • 子宮内胎児発育遅延⇒絨毛の肥大、増殖⇒子宮内胎児発育遅延・妊娠高血圧症候群
  • 感染、炎症⇒絨毛膜羊膜炎・前期破水

【過期妊娠による胎盤機能不全】
⇒胎児腎血流量⇒低酸素血症⇒羊水混濁・胎児機能不全
⇒胎児尿⇒羊水過少⇒臍帯圧迫
【妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)】高血圧・タンパク尿
【原因】不明、胎盤形成障害、母体の要因(20才未満・40才以上、肥満、高血圧、双胎など)
【予防】休養と睡眠、適度な運動、精神の安定
【合併症】

  • 全身末梢血管:高血圧・心不全
  • 脳血管:脳浮腫・子癇・脳内出血⇒頭痛、意識障害、運動障害、痙攣
  • 脈絡膜血管:網膜剥離・網膜虚血⇒視力障害
  • 肺血管:肺水腫⇒呼吸困難
  • 上腸間膜動脈、肝動脈:HELLP症候群⇒上腹部痛、悪心嘔吐
  • 腎血管:腎機能障害⇒蛋白尿、乏尿
  • 子宮、胎盤血管:常位胎盤早期剥離、IUGR(子宮内胎児発育遅延)胎児機能不全、子宮の圧痛、子宮の過小、胎動減少

【治療】

  • 非薬物療法:安静、食事(カロリー制限、減塩7?8g/day)
  • 薬物療法:降圧剤、硫酸マグネシウム

出産前の生活及び注意点

2012年02月17日

出演ラジオ局 : 広島エフエム放送(HFM) 周波数78.2MHz 15:20?
放送番組: 『オーバー・ザ・レインボー』 Over The Rainbow
今回の話題は、『出産前の生活及び注意点』についてです。その内容をご紹介しましょう

平成20年5月29日(木)放送原稿
 

出産の時期

  • 早 産:妊娠37週未満、
  • 正期産:37週から42週未満、
  • 過期産:42週以後を言い、妊娠37?39週での分娩が多く安全

 

入院準備

入院時必要物品の準備

  • 母子手帳、保険証、診察券、印鑑
  • パジャマ
  • 前開きの肌着 2?3枚
  • 授乳用ブラジャー 2?3枚
  • T字帯
  • 腹帯・母乳パット
  • タオル(フェース2?3枚、バスタオル1?2枚)
  • ガーゼ
  • 夫、家族への連絡方法の確認(携帯、連絡先の確認)
  • 赤ちゃんの肌着、ウェア
  • タクシー、産婦人科の連絡先の確認
  • 荷物をひとまとめにする

 

分娩の経過

分娩の流れを知ること、妊娠時より呼吸法の会得で楽なお産ができる。

  1. 準備期(前駆期:分娩開始の徴候・分娩切迫徴候)
    分娩開始2?3週間前くらいから子宮下垂感・腹緊・腹痛(前駆陣痛)
    頻尿出現
    おしるし(子宮の口が開くことによる出血)破水(卵膜が破れ中の羊水が流れる)が起こる
  2. 分娩第1期(開口期)初産:10?12時間、経産:4?6時間
    陣痛開始(陣痛の周期が10分以内、1時間6回以上) 子宮口の全開大まで
  3. 分娩第2期(娩出期)初産:1?2時間、経産:0.5?1時間
    子宮口が全開大(約10cm)から赤ちゃんが外に出るまで
  4. 分娩第3期(後産期)初産:15?30分、経産:10?20分
    赤ちゃんの娩出から後産(胎盤、卵膜、臍帯など)が娩出するまで

分娩所要時間

  • 初産:12?15時間
  • 経産:5?9時間

 

分娩の流れ

おしるし(ない人も)⇒陣痛⇒破水(陣痛の前にあるか入院まで無いことも)⇒入院⇒陣痛室(LDR室:陣痛、分娩、産後も同じ部屋)⇒分娩室
【陣痛での入院】

  • 一度陣痛があっても軽くて無くなってしまう
  • 痛みが不規則⇒病院に連絡するが少し様子をみる指示がでる
  • 激しい痛みや発熱・初産で10分、経産で15分間隔の痛み⇒病院に連絡して入院

【破水】

  • あせらずナプキンをあてる
  • 量の多少にかかわらず病院に連絡
  • 動き回らない
  • シャワーは良いが浴槽に入らない
  • 病院には車かタクシーで

【陣痛室での過ごし方】
陣痛で子宮口が全開大するまでは力を入れず我慢することが大切です。もし、力を入れると、赤ちゃんの出口(子宮頚管)が裂けて頚管裂傷となり出血の原因となります。そのため、呼吸法で対処し(例えばソフロロジー)妊娠中に十分な体力をつけるため、普段より呼吸法を練習をしておく。  
【分娩室】
自然にいきみが出て分娩となりますが、赤ちゃんが大きかったり、体力が無かったりすると難産となり、吸引分娩・帝王切開となったりします。呼吸法修得し落ち着いて赤ちゃんを産みましょう。

分娩時の異常

2012年02月16日

出演ラジオ局 : 広島エフエム放送(HFM) 周波数78.2MHz 
放送番組  : 『オーバー・ザ・レインボー』 Over The Rainbow

平成20年6月26日(木)放送原稿


分娩時の異常は、

  1. 分娩の進行の異常
  2. 分娩の過程における異常
  3. 分娩時の異常出血

に分けられます。


1. 分娩の進行の異常

陣痛の異常 微弱陣痛:陣痛が弱すぎる
過強陣痛:陣痛が強すぎる
産道の異常 軟産道強靱:軟産道が開かない
児頭骨盤不均衡:児頭が骨盤を通らない
娩出物の異常 児頭骨盤不均衡:児頭が大きい
骨盤位・横位:胎位の異常
反屈位:胎勢の異常(赤ちゃんの姿勢)

2. 分娩の過程における異常 

母胎側 子宮破裂:全分娩の0.1%
頚管裂傷:子宮の出口の裂傷。大量出血の原因になる
膣・会陰裂傷:分娩時に起こる
子宮内反:子宮が裏返しになる。1/8,000?10,000疼痛と出血を伴う
弛緩出血:胎盤娩出後の子宮筋の収縮不良による出血(500ml以上)
羊水塞栓:羊水が母体血中に流入し呼吸不全・ショックに 0.03%
胎盤 癒着胎盤:胎盤が子宮に癒着し剥がれない。
臍帯異常:臍帯巻絡:臍帯が胎児の一部に絡まった状態 20?25%、臍帯脱出:臍帯が破水後児より下に脱出
胎児 胎児機能不全:妊娠・分娩中に胎児の循環機能が障害をおこす

3. 分娩時の異常出血

分娩時の出血は一般的に500ml未満、それ以上の出血。

  • 分娩時の原因:前置胎盤・常位胎盤早期剥離・子宮破裂・癒着胎盤
  • 分娩後の原因:弛緩性出血・頚管裂傷、会陰裂傷・子宮内反・胎盤の遺残、血液凝固障害 

正常の経過を取って元気な赤ちゃんに恵まれることがほとんどですが、異常分娩も起こりうることを考慮して、妊娠10ヵ月になったら、

  1. 分娩に備えて体力をつける。
  2. 体重を増やさない
  3. どんな些細なことでもかかりつけに相談をする

産後(産褥期)の生活と注意点

2012年02月14日

平成20年8月28日(木)放送原稿

産褥とは、分娩後身体・性器が妊娠前の状態に復帰、退縮する6?8週間を言い、その女性を褥婦と言う。


全身の変化

  • 体温
    産後3日位は体温上昇。その後平熱に。
  • 体重
    直後は5kg減少。その後分娩前体重の10%程度減少。
  • 消化器
    直後食欲低下。その後授乳により亢進。
  • 泌尿器
    初期は尿量増加。授乳開始により便秘になりやすい。
  • 精神
    内分泌に激変が起こり、更年期様症状出現し不安定になりやすい。産褥3?4日に一過性の抑うつ状態になり2週間位で消失。

局所変化

  • 子宮
    正常の大きさに戻っていく。分娩直後臍下3?4横指から分娩1日後は臍高。以後徐々に下降
  • 悪露
    産後に子宮腔内から排出される分泌物。4?6週で停止。産後2?3日赤色、8?14日褐色、3?4週黄色、5?6週白色に変化。感染に注意して、色が変化しない場合は子宮の回復が遅れて、子宮復古不全という病気の可能性があります。
  • 子宮頚部・会陰縫合部
    産後5?6日以後は痛みも消失して、1ヵ月頃には完全に治る。

乳房の変化

  • 乳管の開通
  • 乳汁分泌
    産後2日目ころまで初乳(黄色)、産後3?7日 移行乳(クリーム色)、その後成乳(白色)

産後の症状

  • 後陣痛
    産後4日頃まで子宮の収縮で痛い。経産婦に著明
  • 創部痛
    裂傷部・切開部の痛み
  • 乳房痛
    乳汁分泌量が哺乳量を上回ると乳房痛
  • 恥骨結合離開
    難産で疼痛
  • 排尿障害
    膀胱の弛緩・麻痺・尿管浮腫で排尿障害。尿漏れ。

分娩後の流れ

分娩終了
⇒2時間集中管理(カンガルーケア・弛緩性出血注意)
⇒6?8時間で歩行
⇒産褥体操・授乳開始・退院指導
⇒退院
自宅では、産後2週間程度で軽い家事。4週間は十分な休息を(子宮脱防止)  

産後(産褥)の異常

2012年02月13日

平成20年9月25日(木)放送原稿
分娩直後から6?8週間に現れることが多く、子宮・乳房以外の症状も出現する。

子宮復古不全

産後2週間しても血性悪露が続く
器質的:胎盤・卵膜(胎盤)の遺残
機能的:子宮収縮不全(多胎妊娠・羊水過多など子宮の過度な進展)

産褥熱

分娩後2日以上38℃以上の発熱
子宮内の感染による

血栓症

産褥期は非妊婦に比べて血栓が形成されやすい
肥満・高齢・帝王切開術後に産後1?7日後位に起こる。
  1. 表在性血栓性静脈炎:表在の静脈に血栓形成し炎症が起こったもの
  2. 深部静脈血栓症:深部静脈に形成し、肺血栓塞栓症となり呼吸困難、胸痛を訴え母体死亡の原因となる。
  3. 予防:帝王切開後は早期離床・積極的な運動・弾性ストッキング着用

産褥乳腺炎

乳汁のうっ積によって起こる。
産褥1?2日で生理的に乳房の腫脹・痛みが出現し、搾乳などで乳汁うっ積を予防した場合には罹患しない。怠ったり、うっ積が取れないと、
  • うっ帯性乳腺炎(3、4日):乳管に一致した乳房の腫大・発赤・熱感、乳房マッサージで回復⇒乳頭から細菌感染すると
  • 化膿性乳腺炎(2?4週間):38℃以上の発熱、乳房の腫脹・疼痛・発赤・熱感出現(治療)抗菌薬・乳房マッサージ・冷罨法

精神障害

  • 分娩後のホルモン変化
  • 育児の不安・疲労などで発症
  1. マタニティーブルース
    産後3?10日に発症し2週間ほどで消失する。
    育児に対する集中力の低下、涙もろさが出現するが一般的には治療を要しない。
  2. 産褥期精神病
    産後1ヵ月以内に発症
    • 産後うつ病:強い鬱状態    約50%
    • 神経症様状態:神経衰弱様症状 約20%
    • 非定型精神病状態:意識レベル低下、幻覚、妄想を訴える。
    精神科医による治療を要する。原因は分娩・産後の出血による循環不全

妊婦と食生活

2012年02月12日

出演ラジオ局 : 広島エフエム放送(HFM) 周波数78.2MHz 15:20?
放送番組: 『オーバー・ザ・レインボー』 Over The Rainbow

平成20年11月27日(木)放送原稿


「妊娠して赤ちゃんのために2人分の食事を取る」「妊娠高血圧症候群(旧妊娠中毒症)予防のために体重増加を抑える」という時代は現在改善されつつある。
今回は、各妊娠の時期における食事摂取の注意点について話します。
 

妊娠中の食事

  1. 1日3食きちんと摂取
  2. 1日30品目摂取
  3. お菓子を置かない

 

妊娠各時期における注意

【妊娠初期】

  • 胎児のからだや内臓を形成:必須アミノ酸(卵、牛乳、乳製品、魚)
  • 骨の形成:タンパク質(肉、魚介、卵)カルシウム(乳製品、小魚、海藻)
  • 神経管閉鎖障害予防:葉酸(サプリメントが取りやすい。400μg/day)
  • 流産予防:ビタミンB,E(大豆、いわし、ウナギ)
  • つわり:食べたいときに食べたいものを食べる。(水分が多く、酸味の強い物)

【妊娠中期】

  • つわりがなくなって食欲が出ますが、自分のBMIに沿った摂取が必要
    BMI、Kaup指数:体重(kg)/身長*身長(?)
    体型による体重増加量(妊娠中):やせた人 BMI<18; 10?12kg,
    標準 BMI=19?23:7~10kg 肥満 BMI>24:5~7kg を考慮する。
  • 貧血予防:鉄分(鶏レバー、牡蠣、あさり、ひじき、納豆)吸収する為にビタミンC、ビタミンB12と取る。(緑黄野菜・キウイ、オレンジなどの果物) 20?/day
  • 便秘予防:ビタミンA(緑黄野菜、牛乳、ヨーグルト)排便習慣

【妊娠後期】

  • 子宮が胃を圧迫して食べる量が減少。1日の回数を増やし1日必要量摂取
  • 鉄分の摂取・糖質は中性脂肪に変化し母体を肥満に!
  • 体重増加により、妊娠高血圧症、微弱陣痛、遷延分娩、巨大児になる  
  • 妊娠高血圧症候群予防:薄味とし、水分は多くて1500ml(果物などの水分も含む)以内。塩分は7?8g/day
  • バランスのとれた食事:妊娠前と比較し、カルシウム約2倍・鉄分1.5倍良質のたんぱく質(赤身の肉、青さかな、卵、牛乳)

『ポイント』

  • 外食は定食(和食)、インスタントは麺は乾燥麺でなく生麺にする。
  • 基本的にダイエットはしない。(赤ちゃんの発育が悪くなる)
  • カロリー計算が出来るよう努力する。

【産後】

  • 母乳を出やすくする工夫と肥満に注意
  • ビタミン(ビタミンD)葉酸、タンパク質、ミネラル(カルシウム・鉄分)摂取が基本 
  • 摂取を控えるもの:カフェイン(コーヒー2~3杯/day)辛い物、酒(ビール1~2杯/day)
  • 授乳中は肉・魚が分泌促進しますが、脂のあるところは控える

【各時期の摂取カロリー】

  • 妊娠初期:1900~2200Kcal
  • 妊娠中期:1900~2100Kcal
  • 妊娠後期:2150~2350Kcal
  • 産後:2500~2700Kcal  

妊婦とスポーツ

2012年02月11日

出演ラジオ局 : 広島エフエム放送(HFM) 周波数78.2MHz 15:20?
放送番組: 『オーバー・ザ・レインボー』 Over The Rainbow
今回の話題は、『妊婦とスポーツ』に関してです。

平成20年10月30日(木)放送原稿


妊娠中の女性にとって「心と体のケア」を考えると、適切なスポーツを行うことは大切で、現在様々なスポーツが普及しているが、妊娠を考慮し必ず医師の許可の元で安全なスポーツを行うことが必要です。
 

目的

  1. 運動不足の解消
  2. 肥満の予防
  3. 気分転換
  4. 体力維持
  5. 持久力獲得

 

妊婦に適した運動

  1. 有酸素運動:エアロビック      
  2. 全身運動:水泳・エアロビクス・ウオーキング
  3. 母児にとって安全な運動:ヨガ
  4. 楽しい運動      

 

妊婦に適さない運動

  1. 無酸素運動        
  2. 瞬発的運動:バレーボール・バスッケトボール・山登り
  3. アンバランスな運動:水上スキー・スキューバダイビング・テニス
  4. 競技的性格の運動

 

妊婦運動実施条件

  1. メディカルチェック
    妊娠初期(運動開始時):ハイリスク妊娠の除外
    妊娠中期(28週ころ):切迫早産並びに合併症チェック
  2. 開始・終了時期   開始:15週?、 終了:分娩直前まで
  3. 運動時間・頻度   一回60分以内、午前10時?午後2時、週2?3回
     

妊婦運動中止の条件

  • 切迫流、早産(出血、腹痛、子宮頸管の開大)
  • 貧血
  • IUGR(胎児発育遅延:赤ちゃんが週数に比べ小さい)
  • 妊娠高血圧症(高血圧、タンパク尿)
  • 逆子(骨盤位)
  • 羊水の異常(過多、過少)

 

運動中止すべき症状

痛み又は性器出血、めまい又は失神、恥骨痛、動悸、背部痛、頻脈、息切れ、歩行困難
 

効果

  1. 理想的な体重保持:糖尿病の発症予防、血圧のコントロール
  2. 妊娠中の微症状の軽減:腰痛、頭痛、倦怠感、しびれ、むくみ、静脈瘤
  3. 安産傾向:骨盤底の筋肉のリラックス、呼吸法の体得、分娩時間の短縮
  4. 精神面での自信と安定:ストレス発散、爽快感、マタニティーブルーの予防
  5. 同じ妊婦の友人ができ悩みを語れる。とくに核家族化の日本には有効 
     

問題点

  • 母児を同時に管理できるが、得られた効果が運動によるものかどうか不明
  • 1人でしないで必ずメディカルチェックを受けて行う(自分だけの判断では危険)

妊娠中の栄養

2012年02月10日

平成19年6月28日、広島FM放送(HFM) オーバー・ザ・レインボーにて放送しました。
 

妊娠中の食事の基本

  1. 一日三食をきちんと食べる
  2. 外食・加工食品・レトルト・インスタント食品は避け、薄味を心がける。
  3. 妊娠中特に不足しがちな栄養素をしっかり摂る。

 

妊娠の各時期における食事

【妊娠初期】

  • つわりの時期:食べたいときに食べたいものを食べる。
  • つわりが妊娠4ヵ月ごろに消失。その後は良質のたんぱく質を主に摂取。
  • カルシウム、ビタミンB1・E(流産予防)、葉酸(神経管閉鎖障害予防)

【妊娠中期】

  • 食欲がでてくるので食べ過ぎに注意。
  • 主食を食べ過ぎない。
  • 間食でカロリーオーバーにならないようにする。

【妊娠後期】

  • 子宮が大きくなり一度に食べられる量が少なくなる。
  • 食事の回数を増やして必要なカロリーをとる。
  • 消化吸収のいいおかずでカロリーを補う。
  • 塩分を控え良質のタンパク質をとる。

 

妊娠中の摂取カロリー

  • 18?29歳:2150 kcal(1800kcal+妊娠中350kcal)
  • 30?49歳:2100 kcal(1750kcal+妊娠中350kcal)

 

妊娠中の体重増加の目安

妊婦さんの妊娠前のBMIによって目標体重は違います。
BMI=体重÷(身長×身長)

  • <18:+10?12kg
  • 19?24:+7?8kg
  • 25?28:+5?6kg
  • >29:+0kg

 

妊娠中の食生活のポイント

  1. バランスのいい食事
  2. 塩分は取りすぎない
  3. 規則正しい排便習慣
  4. 鉄分を十分に
  5. カルシウムを十分に
  6. 葉酸(1日400μg)
  7. 肥満に注意
  8. 食品添加物を避ける
  9. 刺激の強い嗜好品
  10. お酒はほどほどに禁煙
     
6つの基礎食品群
第1群 魚・肉・卵・大豆・大豆製品 蛋白質
第2群 牛乳・海草・乳製品・小魚
無機質(カルシウム)
第3群  緑黄野菜(人参・かぼちゃ・ホウレン草)
カロチン
第4群 淡色野菜(たまねぎ・大根)
果物(りんご・みかん)
ビタミンC
第5群  砂糖・米・パン・小麦・麺類 
糖質(炭水化物) 
第6群 油脂類、脂肪の多い食品
脂肪(マヨネーズ・バター・豚ばら肉)

各疾患による食事

【貧血】

  • 鉄分を多く含む食事
    ただし、蛋白質、ビタミンCを組み合わせることで吸収がよくなる

【妊娠高血圧症候群】

  • 減塩
    1日8g未満を目安に塩分の多い加工食品・外食を控える

【肥満】

  • 塩分・糖分・水分の取りすぎに注意(果物、スナック菓子、動物性脂肪)

【便秘】

  • 適度な水分、植物繊維(野菜・イモ類・こんにゃく・寒天)

 

妊娠中の食事摂取での注意点

  1. ダイエットをしない。
    ダイエットで食事制限することで赤ちゃんは小さい子が生まれるが、その後の栄養によって子供に生活習慣病が発症。例えば、高血圧・糖尿病など。
  2. 貧血などあった場合貧血食だけでなくバランスの取れた食事を摂取
  3. カロリー計算のできる妊婦になること。
    中高年になってご主人の生活習慣病が防げる。

妊婦と薬について

2012年02月09日

平成21年1月29日(木)放送


妊娠中に服用した薬または、妊娠が判らず服用した薬の赤ちゃんに与える影響を考えると大変心配なことですが、服用した薬は、使用時期・使用期間・使用経路・使用薬によってその影響が異なり、薬が絶対に赤ちゃんに影響するとは言えません。
赤ちゃんの奇形は、薬を服用していなくても2%位と言われ、薬が原因の場合はその1%と言われ10,000人に2人という計算です。
一般に市販薬では絶対に赤ちゃんに影響するという薬は販売されていません。
 

薬の赤ちゃんへの影響について

  1. 使用時期
    妊娠時期と使用薬によって影響が出ます。
    妊娠4週未満《無影響期》:薬剤の影響を受けた場合着床しない。妊娠しない。
    妊娠4?7週《絶対過敏期》:胎児の器官形成期(中枢神経・心臓・消化器・四肢など形成)に影響を受けやすい。
    妊娠8?15週《相対過敏期》:器官形成がほぼ終了。性器の分化・口蓋閉鎖など形成。慎重に服用。
    妊娠16?分娩:胎児奇形の危険性の問題はない。胎盤を通過することで胎児に影響。特に消炎鎮痛剤の服用。
  2. 使用期間
    短期間の服用で影響が少ない。
    慢性の病気で治療を続ける必要がある場合以外、頓服などが安全。
  3. 使用量
    多いほど危険性がある。 
    ビタミンA・魚介類(メチル水銀を含む大型魚・深海魚)
  4. 使用経路
    [内服薬・注射薬・坐薬]全身への影響があり慎重に
    [外用薬・目薬・点鼻薬]通常の使用では安全

催奇性とは

奇形の発生が起こること。
自然発生として、心臓奇形(心臓中隔欠損など)・口唇、口蓋裂・神経系障害(二分脊椎、水頭症など)が代表。
危険性の高い薬:つわりの治療に使われて発生したサリドマイドから注意され始めた。
乾癬治療薬(エトレチナート)、C型肝炎治療薬(リバビリン)抗凝固薬(ワルファリン)抗ガン剤、免疫抑制剤など、妊娠が判ったら服用中止。
 

胎児毒

赤ちゃんの機能に悪い影響をすること。

  • 妊娠末期の大量の睡眠薬:赤ちゃんが眠りがち
  • 妊娠中期以後の消炎鎮痛剤(ボルタレン、モーラステープなど):新生児高血圧症

以上、妊娠中は決して薬を服用してはならない事はなく、例えばインフルエンザ
ワクチンは接種してください。その他は担当医と相談。妊娠してなければ、排卵前に薬を飲むようにし、それ以後なら妊娠しても大丈夫かを確認すること。

妊婦と仕事?妊婦はいつまで仕事していいか

2012年02月08日

平成21年2月26日(木)放送

妊婦さんがいつまで働けるかは、法律上では産前6週間(多胎妊娠では14週間)・産後8週間の休暇が義務づけられています。
産前6週間は体調が良く本人の希望があれば取らなくてもいいことになっていますが、産後8週間は必ず取らなければいけないことになっています。ただし医師の診断書があれば6週間でも就業可能となります。以下の事に注意して仕事をしましょう。
 

仕事での影響

【妊娠初期】

  • つわり ・・・空腹感にならない工夫、気分転換 
  • 流産  ・・・無理をしない、余分な行動を取らない

【妊娠中期】

  • 早産  ・・・無理をせずお腹が張ったら休憩する(張りを感じる事)
  • 便秘  ・・・栄養のバランスを考え我慢をしない

【妊娠後期】

  • 早産  ・・・仕事の引き継ぎで無理をしない、通勤中の異常を感知
  • 妊娠高血圧症候群 ・・・仕事の引き継ぎで疲労を貯めない

妊娠全般を通じて妊婦の自覚を持って行動し、負担がかかる行動は控える。
 

妊婦のための制度

男女雇用機会均等法

  • 通院休暇(第12条)妊娠23週まで・・4週に1回。妊娠24週から35週まで・・2週に1回妊娠36週から出産まで・・1週に1回
  • 通勤緩和、勤務の軽減(第13条)
  • 妊娠、出産などを理由とする不利益取り扱いの禁止(第9条)

健診での医師の指導事項は「母性健康管理指導事項連絡カード」(母子健康手帳内)を使用して事業主への連絡に使用しましょう。
労働基準法

  • 産前、産後休業(第65条第1項、第2項)
  • 妊婦の軽易業務転換(第65条第3項)
  • 妊産婦などの危険有害業務の就業制限(第64条の3)
  • 妊産婦に対する変形労働時間の適応制限(第66条第1項)
  • 妊産婦の時間外労働、休日労働、深夜業の制限(第66条第2項、第3項)

 

分娩前に行うべき手続き

妊娠中

  • 出産育児一時金:健康保険に加入していれば35万支給
  • 出産手当金:産休中給料代わりに貰えるお金
  • 育児休業給付金:仕事を続ける場合の育児休業中支給

出産後

  • 出生届:児童手当金:9歳まで子供一人につき月々5000円給付
  • 健康保険加入:乳幼児医療費助成制度:赤ちゃんの医療費を自治体が負担

以上が分娩前に注意しておくことです。

里帰り分娩(夫の役割)

2012年02月07日

出演ラジオ局 : 広島エフエム放送(HFM) 周波数78.2MHz 
放送番組: 『オーバー・ザ・レインボー』 Over The Rainbow

平成21年3月26日(木)放送


里帰り分娩は、近年分娩できる施設の減少により充分調査が大切です。
里帰り分娩は、夫が家事に対して協力的でやる気があり自分の事は自分で出来るのであれば、必要ありません。
里帰り先が決まったら、帰省先の病院に受診時期・必要なものの確認をおこなうことが大切です。
 

里帰り分娩の利点・欠点

【利点

  1. 実家の家族がいることで、心身共に支えとなりリラックスできる。
  2. 出産後家族に助けられゆっくり休める。
  3. 家事より育児に時間がかけられる。
  4. 母親という出産・育児経験者が近くにいるので安心して手伝って貰える。
  5. 里帰り中、夫は妻と子供の心配がいらない。

欠点

  1. 妊娠から出産を同じ医師に見て貰えない。
  2. 重い身体で実家まで移動しなければならない。
  3. 実家から赤ちゃんを連れて帰る移動が大変。
  4. 自宅に帰ってから家事・育児が自分だけでするのでストレスになりやすい。
  5. 夫に関して
    遠方の場合、出産の瞬間や成長の喜びを同じ場所で味わえない
    父親と実感できるまで時間がかかる
  6. 交通費・病院の初診料など出費が多い

 

里帰りと決まったらすること

  1. 分娩予約、予約金の有無の確認
  2. 里帰り前の受診の必要性
  3. 帰省時期の確認(飛行機は妊娠時期が遅いと診断書が必要)
  4. 里帰り前に妊娠の異常で帰れなくなった場合もあり、事前の準備が必要
  5. 帰省方法は無理のない方法をとる
  6. 出産育児一時金の書類を準備、健診の公費補助券を使えるか現住所の自治体に確認。
    使えない場合:自治体から償還払いが可能か。自治体と分娩期間と直接契約で使用可能となるかを確認。

 

夫のすること

  1. 不在中の自宅の清掃
  2. 妻への頻繁な連絡をして分娩に対し心の支えとなるよう努力
  3. 里から帰っても平穏な生活ができること
  4. 増える家族に対しての準備  里帰り期間は統計的に約2ヵ月位が多い様です。

妊娠34週から里帰り先に受診し、1ヵ月の健診後に帰宅するのが一般的です。

妊婦さんのゴールデンウィークの過ごし方・注意点

2012年02月05日

平成21年4月30日(木)放送


ゴールデンウイークに家族で休暇中の計画があると思いますが、妊婦さんの基本は自分が妊婦であることの自覚・自分の体調は自分が気をつけて守るという意識を持ってください。
家族の人は自由に行動できるので妊婦さんのことを忘れがちです。
出かける前には以下の事に注意しましょう。
 

妊娠中のお出かけ
事柄 初期 中期 後期 お産前 注意点
電車 切迫流・早産の心配がなければ大丈夫。ラッシュはさける
船・フェリー × 切迫流・早産の心配がなければ大丈夫。
飛行機 × 予定日の4週間前からは診断書必要。
長距離バス × 同じ姿勢を続けることは後期には難しく苦しくなる
車の運転 集中力を欠きやすいが、直前まで大丈夫
バイク・自転車 × × × × バランスを取りづらく、転びやすいので止めたほうがいい
海外旅行 × × 観光なら初期はさけ行く場所は主治医に相談
温泉 長時間の入浴はさける
サウナ × × × × 長時間はさける。母体・赤ちゃんの心拍数上昇
遊園地 × 激しい乗り物は禁止。歩き回らないこと
バーゲン 並んで買うのは控える。
コンサート 短時間なら大丈夫。エキサイトしない
ハイキング × 近場でゆっくり。できれば後期から
キャンプ × × 人里離れた場所で何かあると大変。行かない方がいい

○・・・・・・大丈夫  △・・・・・・気をつけて  ×・・・・・・控えよう
 

  • 特に長距離の移動には、
    1. 適当に休憩をとる
    2. お腹が張りやすい
    3. トイレが近い
    など日頃と違った感覚になります。十分に考慮して移動しましょう。
  • 手軽なところで、近場の温泉を考える場合は“妊婦お断り”という所もあります。事前に確認を取って行きましょう。
  • 人混みは出来れば避けた方が無難です。
  • 紫外線対策を十分にして外出しましょう。シミになりやすい。
  • 医療機関が休みの所が多いので事前にかかれる病院をチェックし母子健康手帳、保険証を持って移動しましょう。
  • 暴飲暴食に走りがちです。後のことを考えて気を付けましょう。

最後に、お腹の張りや違和感を感じた場合には即座にその場で休む勇気を持ちましょう。自分の身体は自分で守りましょう。動くことによる流産・早産が多い時期です。
気をつけてその後に悔いの残らない楽しい連休を過ごしましょう。

骨盤位(逆子)について

2012年02月05日

平成22年2月25日(木)放送

赤ちゃんの頭が下にない状態を骨盤位(逆子)と言います。
分娩まで逆子の頻度は3?5%で、妊娠中期(16?19週):48.2%、(28?31週):16%で自己回転によって頭位となる。
 

原因

【母体側】
子宮・骨盤の異常

  1. 子宮の形態異常
  2. 子宮筋腫
  3. 前置胎盤、胎盤位置異常
  4. 骨盤内腫瘤・腫瘍
  5. 狭骨盤(骨盤が狭い)

【胎児側】

  1. 多胎妊娠
  2. 未熟児
  3. 胎児奇形、染色体異常
  4. 羊水過多症(羊水が多い)
  5. 胎児の自己回転

 

分類

  1. 単臀位
  2. 複臀位
  3. 膝位
  4. 足位

治療

  1. 胸膝位:妊娠30週頃より1日10?20分   75%成功
  2. ブリッジ法:妊娠28?31週 1日10分2回   90%成功 
  3. 外回転術:妊娠30?37週頃 お腹の上から両手で回転 52%成功
    胎盤早期剥離、子宮破裂、前期破水、胎児死亡の危険性がある。
  4. 鍼灸療法:三陰交・・胃弱、食欲不振、脚気、腎炎、和痛分娩のツボ
    至陰・・難産、陣痛微弱、座骨神経痛のツボ

 

分娩方法

  1. 経膣分娩:胎児の大きさ・骨盤との関係に問題なければ可能である。近年はリスクが高いので分娩手技が出来る医師が減少。
  2. 帝王切開

 

分娩のリスク

  1. 臍帯脱出:3.7%の確率
  2. 未熟児出産:妊娠30週まで 20%、妊娠34週まで 30%分娩。
  3. 先天異常:頭位・・2.4%、骨盤位・・6.3%

出産手当

2012年02月04日

平成22年11月18日(木)放送

妊娠から出産までの手続きと、その流れについて報告します。
 

妊娠が判明(自宅で妊娠検査薬でも)

  1. 産婦人科で胎児を確認 
  2. 妊娠の届出
    市区町村役所、保健所
  3. 妊婦健診
    平成23年3月まで、健診補助金14回配布。
    (各地区で異なるが広島では無料券とはならない)

 

出産育児一時金

平成23年3月まで出産1人につき42万円支給。

  1. 健保から産院に支払い。
    分娩が退職6ヵ月以内なら夫婦でどちらの健保からか決めておく
  2. 直接支払い合意文書を分娩施設と契約
  3. 分娩・出産で発生した脳性まひ児への補償(産科医療補償制度)
    分娩費に含まれる。

 

出産手当金

分娩後勤務する場合、産前・産後の出産休業中に支給

  1. 妊娠中出産手当金の申請書用紙を会社の総務より受け取る。
    退職6ヵ月以内の分娩では支給されない。
  2. 産前42日(多胎98日)産後56日に健康保険から支給。
    (但し、健康保険料を支払っている人でパート、派遣社員でも)
    金額:月給/30=「日給」
    「日給」×2/3×産休した日数=もらえる額
     

育児休業給付金

産休に入る前に育児休業の期間を勤務先に報告。
産後56日以後の育児休業開始から最長10ヵ月支給(給料は入らない)。
本人が納めた雇用保険(共済組合)から支給。
月給×0.5×育休として休んだ月数=もらえる金額(総額)
 

失業給付受給期間の延長

失業給付が退職後4年以内に延長可。
手続:退職翌日から30日経過した後の翌日から1ヵ月間。ハローワーク
支給額:働いていた期関・年齢で貰える日数分が異なる。
 

乳幼児医療費助成

乳幼児の医療費を自治体が助成。

  1. 出産前:住んでいる市区町村の助成内容・手続きを確認。
  2. 出産後:赤ちゃんの健康保険加入
    保険証を役所に持参し助成を受ける。
    乳幼児医療証が届き、医療機関に提示すると助成。
     

医療費控除

確定申告で払った税金の一部が戻る。
1年間の家族合計医療費が10万円(所得200万円未満は所得の20%)を超えた場合。税務署に申告。

無痛分娩

2012年02月03日

平成22年9月30日(木)放送


日本では、「お腹を痛めた赤ちゃん」「産みの苦しみ」などの慣用句があるようにお産は痛くて当たり前、陣痛に耐えることが美徳とする文化的土壌にあります。
無痛分娩とは、陣痛の鎮痛で完全無痛ではなく、鎮痛の程度は無痛から和痛まで調節。
 

無痛分娩普及率

アメリカ:70%以上、ヨーロッパ:50%以上、日本:5%
 

無痛分娩の適応

【適している人

  • 陣痛の痛みや子宮収縮による心血管系への負担が好ましくない。
  • 骨盤位、多胎、妊娠高血圧症候群など帝王切開になるリスクが高い。
  • 分娩中に陣痛の痛みで全身硬直、興奮状態になった人。

適していない人

  • 循環血液量減少(出血中や脱水)
  • 出血傾向(血液凝固、止血の異常) ・全身の感染症 
  • 心疾患(大動脈弁狭窄AS、閉鎖性肥大型心筋症HOCM)
  • 神経疾患(多発性硬化症、脊椎疾患)
  • 無痛分娩を拒否
     

無痛分娩の種類

全身麻酔 局所麻酔
  • 静脈麻酔
  • 吸入麻酔
  • 神経ブロック
  • 脊椎麻酔
  • 硬膜外麻酔

無痛分娩のメリット・デメリット

メリット デメリット
  • 陣痛の痛みがない
  • 分娩時間が短縮
  • 分娩時の体力消耗を抑えるため、産後の回復が早い
  • 母体がリラックスすることで、赤ちゃんの酸欠が防げる
  • 麻酔手技に伴い出産費用が余分にかかる
  • 陣痛促進剤や吸引分娩の可能性が高まる
  • 帝王切開の経験がある場合には行えない

赤ちゃんへの影響

現在多くの施設で行っている硬膜外麻酔では、影響有りません。
 

授乳への影響

現在の麻酔法で注入された麻酔剤では影響有りません。

流・早産を減らしたい

2012年02月02日

 平成22年7月29日(木)


妊娠中、赤ちゃんが出かかるあるいは、出てしまう場合で22週までは流産。23?36週を早産と言います。近年やや増加傾向にある様に思います。
 

『流産』頻度

全妊娠の10?15%。
【原因】

胎児側 母胎側
  1. 染色体異常(全体の60?70%)
  2. その他:多胎妊娠・遺伝子病
  1. 子宮の形態異常
  2. ホルモン異常
  3. 感染症
  4. 身体的疲労(仕事・旅行など)

【症状】

  1. 性器出血(赤・茶色)
  2. 下腹部痛
  3. お腹の張り

【分類】

  1. 切迫流産:胎児は生存し出血。 
  2. 稽留流産:胎児死亡、症状なし。
  3. 進行流産:流産が進行し排出しかかっている。
  4. 完全流産:胎児など完全に排出。
  5. 不全流産:完全に排出せず残存。

【治療】

  1. 安静
  2. 薬物治療。

最悪の場合入院。
 

『早産』頻度

約5%。やや増加傾向。
【原因】

自然発生 人為的発生
  1. 感染症
  2. 破水
  3. 頚管無力症
  4. 多胎
  5. 子宮奇形・筋腫など
母体側 胎児側
  1. 多胎妊娠
  2. 妊娠高血圧症候群(旧 妊娠中毒症)
  3. 胎盤早期剥離・前置胎盤
  4. その他・・合併症
  1. 胎児発育遅延
  2. 胎児仮死(胎盤機能不全)
  3. その他・・胎児疾患

【誘因】

  1. 重たい物を持つ。
  2. 転倒(履き物に注意)
  3. 階段の昇降。(落下し易い)    
  4. 長時間の立ち仕事。
  5. 長時間のドライブ(旅行など)
  6. 激しいスポーツ(激しくなくてもお腹の張っているときは注意)

【症状】

  1. 分泌物増加(腟内の細菌感染の可能性)
  2. 出血
  3. 月経痛様の下腹部痛。

【治療】

  1. 安静
  2. 子宮収縮抑制剤
  3. 感染予防
  4. 頚管縫縮術(頚管開大による無力症の場合)

 

予防及び注意点

【流産】

  1. 予防できない流産もあるが、切迫流産の場合には安静にすることで赤ちゃんが育って分娩まで可能。初期?中期に無理をしないことが大切。
  2. 出血・下腹部痛があれば早急に対処。

【早産】

  1. 炎症などで起こる場合もあるので、分泌物・下腹部の緊満など注意する。
  2. 出血・下腹部痛などあれば早急に対処。 

マタニティビクス

2012年02月01日

平成21年8月27日(木)放送

マタニティビクスとは、妊婦(maternity)のための有酸素運動(earobics)で

  1. 最も効果的で安全な妊娠中の健康法
  2. 分娩・産褥期によい効果をもたらす。

目的で考案された。
 

始める条件

  1. 妊娠経過が順調で正常な状態であること
  2. つわりも治まり妊娠5ヵ月を過ぎていること
  3. お腹の張りが頻回に起こっていないこと。
  4. 流産、早産の経験が無いこと。
  5. 子宮頚管無力症(子宮口が開いている)、双胎、子宮筋腫などがない。
  6. 妊娠高血圧症候群、糖尿病、心臓疾患など運動が出来ない病気でないこと。

 

効果

  1. 心肺機能の向上による全身の持久力の増強。
  2. 身体各部の筋力、筋持久力の増強。
  3. 高血圧妊婦の血圧降下作用。
  4. 体重の過剰増加の防止。
  5. 脂質比の改善。(妊娠による中性脂肪・総コレステロールの増加の適正化)
  6. 安産傾向(分娩時間の短縮、出血量の減少)
  7. 腰背部痛、その他の自覚症状。静脈瘤、妊娠線、仰臥位低血圧の抑止。
  8. 精神面の安定。
  9. 産褥期への好影響(乳汁分泌促進、体力・体型回復促進、産褥期骨塩低下防止)
  10. 腰痛、肩こり、便秘、足のつり、手足のむくみ、肋骨周辺・鼠径部の痛み解消

 

時期

妊娠14週から分娩直前まで 午前10時?午後2時  週2?3回 1回60分
 

施行前のメディカルチェック

必ず医療従事者(医師、助産師、看護師)が行う。

  1. 胎児心拍数 
  2. 血圧 
  3. 脈拍 
  4. 体重
  5. 問診:体調、精神状態、腹部緊満の程度(お腹が張っていないか)

 

妊婦への影響

  1. 血液循環  :静脈血酸素分圧(PvO2)上昇、静脈血炭酸ガス分圧(PvCo2)下降、pH変動なし
  2. 胎児心拍数 :やや上昇 (10 bpm/min位)
  3. 血圧     :やや上昇し終了後下降
  4. 体重と体温 :体温は軽度上昇 体重は減少(安全範囲内)
  5. 腹部緊満  :運動中・後に増強するが早産になるほどの子宮の収縮はない。
  6. 母体の心拍 :軽度上昇
  7. 骨盤底筋群 :伸展 児が産道を通り易くする。


以上、トレーニングすることによって、分娩がスムーズに進行し、同じ目的を持った仲間ができ、快適な妊娠生活ができます。 

診療時間

  午前の部
9:00〜 12:00
午後の部
14:00〜 17:30
× ×
17:00まで
12:30まで ×

毎月の診療時間、各種教室・イベントなどのスケジュールは、こちらからご確認ください。

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